「常陸秋そば」といえば、茨城県が全国に誇るブランド品種。香り、味わいに優れ、今や"玄そばの最高峰"といわれる品質を誇っています。「常陸秋そば」の魅力は、なんといってもその粉の力強さ。風味豊かで、通を唸らせる逸品です。
茨城県北部地域に伝わるそばは、もともと冬場に食べる主食でした。そばといってもザルに盛った、あるいは出汁にいれたような食べ方ではありません。「つけけんちん」と呼ばれ、具沢山の汁に太目のそばをつけて食べるものです。秋の農産物、ネギ、大根、ごぼう、こんにゃく、ニンジン、シメジ、芋がらなどが使われます。野菜類を油と味噌で炒め、かつおと昆布の出汁で煮て、醤油とみりんで味付けをします。 歯ごたえよく、香りよく、そしておなかの底からからだ全体が温まります。体に優しく、とってもおいしい里山のご馳走は、今でも茨城県北地域の郷土料理として、みんなの生活の中に息づいています。
常陸太田市は、江戸時代からそば作りが盛んで、水戸光圀公も隠居されてから自らそばを打ったとされています。そのそばのふるさと常陸太田市には、金砂郷そば街道、水府そば街道、里美そば街道と3つのそば街道があります。その中でも金砂郷そば街道には、その道しるべとして、表情豊かな石彫刻が置かれています。そばの花などの特産品や西金砂神社大例祭の様子、十二支など、歴史や文化がモチーフの石彫刻が並ぶ「そば街道」。全38体の彫刻は、大半が県道36号線金砂庵西金砂神社沿いにあり、そば街道の金砂郷の歴史・文化を紹介するもので、そばに関する彫刻・干支の彫刻などがかたどられています。