西金砂神社・磯出大祭礼・西金砂山


西金砂神社 本殿

西金砂神社
西金砂山の頂上にある神社で、祭神は大己貴命と国常立命と少彦名命。大同元(806)年に天台僧の宝珠上人が、社殿を造り祭壇を設けて、近江国比叡山の日吉神社の分霊を勧請・祭祀したのが始まりとされています。  創建当時は、比叡山延暦寺の伽藍を模した七堂伽藍中堂を設け、千手観音を諸沢村堂平に、鐘楼と経堂を赤土村太平山に建てたほか、中染村羅漢沢に十六羅漢を祀りました。中世は佐竹氏の厚い崇拝を受け、近世には、徳川光圀公の宗教政策によって西金砂山から社寺や古仏像を廃し、僧侶を別の地に移すとともに、社地26石を寄せられました。
西金砂神社 本殿_2
社地は自然林に囲まれた西金砂山(標高:418m)の一帯を占めており、御神木の老杉、大イチョウ、大サワラなど、茨城県の天然記念物にも指定されている名木の数々を見ることができます。72年ごとに行われる大祭礼や6年毎に行われる小祭礼、それらの際に奉納される田楽舞(ともに茨城県指定文化財)でも名を馳せています。  所在地:常陸太田市上宮河内町1915  お問合せ:0294-76-9251

西金砂神社鳥居・拝殿

西金砂神社鳥居・拝殿
西金砂神社鳥居

西金砂神社の鳥居までは、車で行くことが可能で鳥居の脇に駐車場があります。
拝殿までは、鳥居をくぐり急な階段を上って行くか、受付を取って行くかの2通りの道があります。
階段を上るコースは、見事な杉の大木の間を上って行くためお勧めです。
西金砂神社鳥居・拝殿_2
西金砂神社拝殿

拝殿は、鳥居から上り5分~10分程度歩きます。本殿は、西金砂山の頂上にあり、頂上までは10分~15分程かかります。
急なのぼりで最後の階段は手すりがありますが特に急な階段のため注意が必要です。
頂上本殿の反対側は、絶壁になっており絶景ですので是非、本殿まで行くことをお奨めします。




西金砂山と西金砂神社

西金砂山と西金砂神社
東金砂山、真弓山、竪破山、花園山と並んで山岳信仰の聖地とされる、常陸五山のひとつで標高は418mで山頂に、西金砂神社がある。絶壁の山頂にあり、茨城のマチュピチとたとえる人もいる。
山頂からの眺めは素晴らしく、かの徳川斉昭も「眺むれば 心の隅も打ちはれて さやかに匂ふ 遠の山の端」と絶唱したといわれる。西に絶壁がある天然の要害の地であったため、中世期には当時の豪族・佐竹氏の城郭としても使用されていた。源頼朝との戦いの際には、激戦の末に佐竹氏を敗走させた頼朝が、金砂山が再び佐竹氏の戦略上の拠点とされることを警戒し、西金砂山が中心となっていた信仰を新たに東金砂山に移したとも伝えられている。まったく異なる位置にある2つの山に、それぞれ「金砂山」という名前が付いているのには、こうした宗教政策なども背景にあったことが伺える。また、西金砂山には自然が多く残されており、暖地性植物であるシダ類、スダジイ、カシ類、タブノキ、カゴノキや山地性の植物ブナなど多くの植物が生育しており、観察会などに適している。

西金砂神社の天然記念物「サワラ」・「イチョウの木」

天然記念物「サワラ」
天然記念物「サワラ」
天然記念物「イチョウの木」
天然記念物「イチョウの木」

金砂神社(東金砂神社・西金砂神社)大祭礼・磯出祭(いそでさい)

金砂神社大祭礼
金砂神社大祭礼は、東金砂神社(水府)と西金砂神社(金砂郷)の2つの神社の合同で72年に一度開催される祭りです。
開催までの期間が日本で最も長い祭りであり、一生に1度見られるかどうかの祭りです。
東西の金砂神社の氏子たちがそれぞれ500人ほどの大行列を編成し、両神社から日立市水木浜までの間(およそ75キロメートル)を10日間かけて往復します。現在までに17回開催されています。
 このような行列は「磯出」と呼ばれ、渡御の途中の数カ所で,国選択・茨城県指定文化財の田楽舞が奉納されるほか、水木浜では、磯出伝説にちなんだ非公開の神事が行われます。
金砂神社大祭礼・磯出祭
行列には、平安時代や江戸時代など、さまざまな時代の衣装を着た人々が登場し、天下泰平や五穀豊穣を祈願します。起源は、金砂の神が水木浜に現れたことが神社の始まりとなったという逸話や、神様を近江国日吉神社から金砂山へ出迎える際、海路を経て水木浜に着いた神様が、久慈川とその支流を遡って金砂山に着いたという伝説からと言われていますが異説も多くあります。 第17回の開催は、平成15年3月22日から3月31日まで行われました